東京高等裁判所 昭和29年(ネ)1120号 判決
控訴人は、従前の土地百坪五合七勺に対し換地予定地として指定され実際に使用収益し得る部分は、六十坪となり、これを全部被控訴人において占有使用しているのであるから、百坪五合七勺分の使用収益に対する対価を控訴人に支払うべきは当然であり、六十坪分の賃料の外に、残坪数四十坪五合七勺分の相当賃料額を損害金として、被控訴人に対して支払を求めるというにあるも、前示のとおり換地予定地について賃借目的の範囲を定めた本件の場合において、控訴人主張の如く土地区劃整理の結果、減坪その他の事由により土地所有者において損害を蒙ることあるも、かかる損害については土地区劃整理事業を施行する行政庁に対し、規定に従いその補償を求めるは格別、当然に(特別な契約なくして)換地予定地の借地人に対しその損害を転嫁することとなるような、減坪とならない従前の賃料全額を減坪後の坪数に応じ坪当の額を増加して賃料として請求できると解すべき根拠はない。
(斎藤 坂本 小沢)